ベトナムでは、なぜ朝のカフェに男性たちが溢れているのか?

ベトナムでは、なぜ朝のカフェに男性たちが溢れているのか?
ベトナムを訪れた日本人が、ほぼ例外なく驚く光景があります。
朝7時前後、街角のカフェに男性たちがずらりと座っているという日常です。
一見すると「仕事をしていない」ように見える。
しかし実態は真逆で、これはベトナム社会の合理性が凝縮された風景です。
結論:朝カフェは「娯楽」ではなく実務の延長線
ベトナムの朝カフェは、
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情報交換
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段取り整理
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人脈の維持
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頭のウォームアップ
を同時に行う実務空間です。
日本で言えば、出社前の雑談、喫煙所、業界の立ち話を一つにまとめたような存在。
家ではなく「外」で考えるという選択
住宅が狭く、家族との距離が近いベトナムでは、
朝に一人で考える場所が家にないことも多い。
だからこそ、徒歩数分のカフェが“個人オフィス”になる。
コーヒー一杯は生活コストであり、贅沢ではありません。
男性同士の“非公式だが実用的な情報網”
朝カフェの会話は雑談に見えて、
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人の動き
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仕事の噂
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現場の空気
といった即効性のある情報が集まります。
特に中小企業・個人商売では、公式ルートより朝カフェの一言が早いことも珍しくありません。
時間に縛られない働き方が前提
ベトナムでは、
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自営業
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歩合制営業
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フリーランス
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ギグワーク
が多く、「9時出社」は絶対条件ではありません。
朝は稼働時間ではなく、
準備と調整の時間帯。
その受け皿としてカフェが機能します。
送り迎えが生む“隙間時間”
ベトナムでは、幼稚園や学校の送り迎えを親が行うのが一般的です。
奥さんが働き、ご主人が朝の送り担当という家庭も多い。
子どもを送った後、すぐ仕事に入れない時間が生まれ、その“間”を吸収するのが朝カフェ。
一人でいても不自然でない、数少ない場所
常に誰かと関わる社会だからこそ、何も生産しなくていい一人時間は貴重です。
朝カフェは、
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話さなくていい
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急がなくていい
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ただ考えていていい
そんな余白を許容する場所でもあります。
ここから日本企業が学べること
この風景を見て、
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「管理が甘い」
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「働いていない」
と感じたら、そこが落とし穴です。
日本企業が学ぶべきポイントは3つあります。
① 時間ではなく“状態”で仕事を見る
何時に座っているかではなく、
「準備が整っているか」「情報を持っているか」を見る。
② 非公式な場にこそ情報が集まる
会議室だけで完結しない。
雑談・立ち話・カフェ的空間を無視しない。
③ 家庭責任を前提にした働き方設計
送り迎えや生活動線を無視すると、優秀な人材ほど離れていきます。
まとめ
ベトナムの朝カフェは、
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サボりではない
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暇つぶしでもない
社会構造が生んだ、極めて実務的な装置です。
この風景を「不思議」と切り捨てるか、
「合理的」と理解するか。
その差が、
ベトナムで成果を出せる日本企業と、そうでない企業の分岐点になります。


