日本式とベトナム式 ― 商談プロセスの“決定的な違い”
日本式とベトナム式 ― 商談プロセスの“決定的な違い”
「日本のやり方で、ベトナム企業に営業しても話が前に進まない」
これは、現地で営業をしているとほぼ確実に直面する壁です。
理由はシンプル。
商談の順番そのものが、日本とベトナムでは真逆だからです。
本記事では、
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日本型の商談プロセス
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ベトナム型の商談プロセス
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なぜ日本企業の営業が刺さらないのか
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どう設計を変えるべきか
を、実務目線で整理します。
日本の商談プロセス:まず「会って説明」
日本では、以下の流れが“常識”です。
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まずアポイントを取る
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会社紹介・商品説明を対面で行う
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その後、資料を送付
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見積もり提出
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取引条件を詰める
この前提にあるのは、
「会って説明すること=信頼構築」
という価値観です。
資料や見積は、
会って話を聞いた後の補足資料という位置付けになります。
ベトナムの商談プロセス:まず「資料と条件で選別」
一方、ベトナムは完全に逆です。
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最初に
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取引条件
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価格
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見積資料
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場合によってはサンプル
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それを見て「話す価値があるか」を選別
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関心があって初めて商談
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商談すら、オンラインでもオフラインでも一回もミーティングはせず、チャットだけで完結するケースも多い
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契約・支払いまで非対面で終了
ここで重要なのは、
「会う=検討開始」ではないという点です。
ベトナムでは、資料と条件を見た時点で、ほぼ勝負は決まっています。
なぜ日本企業の営業は通らないのか
多くの日本企業がやってしまう失敗はこれです。
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「まずオンラインで顔合わせだけでも」
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「詳細は会ってから説明します」
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「見積は商談後に」
ベトナム企業からすると、内心こう思っています。
条件も価格も分からないのに、なぜ時間を使って会う必要がある?
彼らは冷たいのではありません。極端に合理的なだけです。
ベトナムでは「会わない営業」が前提
日本では「商談=対面」が当然ですが、ベトナムでは必ずしもそうではありません。
実務レベルの取引は、
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チャットで条件調整
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PDF資料で内容確認
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スタンプ一つで了承
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そのまま送金
という流れで完結することも珍しくありません。
日本的感覚では
「本当に大丈夫なのか?」
と不安になりますが、ベトナムでは通常運転です。
むしろ現地では
「なぜわざわざ会う必要があるのか?」
という感覚の方が一般的で、アポイントを取っても、移動中や車の運転中に携帯電話感覚で商談が進むこともあります。
なお、接待や関係構築を目的とする場合は別です。
実務の商談と、関係性づくりの場は明確に切り分ける──これがベトナム営業の基本です。
ベトナム市場で成果を出すための設計変更
日本式を捨てろ、という話ではありません。
順番を変えるだけです。
必須ポイント
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最初から
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価格帯
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最小ロット
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支払い条件
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納期を明示した資料を用意する
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会う前に
「Yes / No が判断できる情報」を渡す
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商談は
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説明の場ではなく
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条件調整・最終確認の場と位置付ける
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これができると、
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無駄な商談が減る
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温度感の高い相手だけが残る
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意思決定が異常に早くなる
という、ベトナム市場らしい展開になります。
まとめ:重要なのは「会うこと」ではない
日本では「会って説明すること」が重視されます。
ベトナムでは「会わなくても理解できる資料」が重視されます。
この違いを理解せずに営業すると、
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反応がない
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返事が来ない
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商談に進まない
という状態が続きます。
逆に言えば、
資料設計と条件提示を先に整えるだけで、
ベトナム営業は驚くほどスムーズになります。
文化の違いは障害ではありません。
設計ミスを修正すれば、武器になります。
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実務で詰まっているなら、まず「順番」を疑ってください。
そこが、最初の改善ポイントです。



