ベトナムビジネスにおけるSNSとメールの効果的な使い分け – 営業アプローチの最適化方法

 

はじめに

ベトナム市場での営業活動やビジネスコミュニケーションにおいて、日本と異なるアプローチが必要です。特にメールの利用が日本ほど一般的ではなく、多くの企業がZALOといったソーシャル・ネットワーキングサービス(SNS)を主要なコミュニケーションツールとして活用しています。一方で日本企業の場合は、情報セキュリティーの観点からビジネスでのSNSの使用を許可されていないところも多いです。

 

弊社のあるクライアント様の中にも社内でSNSの使用が許可されていない為、ベトナム企業との連絡は専らメールの使用のみという会社もあります。お相手のベトナム企業の本音ではチャットを使いたいと思っているのですが、日本企業側の要望に応えて、メールのやり取りに対応はしてくれています。ただ、タイムラグが生じるメールでコミュニケーションを取る事については、かなり不便に感じているようです。

 

また、ベトナム企業側のメール返信は「Yes, No」といった感じで至ってシンプルで、メールでの詳細なコミュニケーションがあまり得意でない事が感じられます。反面、日本企業側の一方的な長文のやり取りが目立ちます。

 

メールだけの使用ですと、ベトナム企業側の情報があまり伝わって来ない為、必要な際には私がSNSを使ってベトナム人社長とベトナム語で細かな確認事項について意思疎通を図り、状況やベトナム企業側の意向をまとめて、日本企業側へメールするなどの対応もしています。

 

ベトナム企業に対して営業アプローチや取引交渉をする際には、状況が許すのであればなるべくZALOといったオンラインチャットツールを活用頂くのがお勧めです。

 

効果的な営業アプローチ – SNSとメールの使い分け

ベトナム市場での営業活動では、SNSとメールを適切に使い分けることが、より効果的なコミュニケーションを築くための鍵です。SNSをメインに使いながらも、法的な書類や契約に関わる重要なやり取りについては、依然としてメールが求められる場合があるため、そのバランスが重要です。

 

  1. SNSをメインにした営業アプローチ
  • 即時性のあるSNS: ZaloやFacebook MessengerなどのSNSは、ベトナムのビジネスシーンで日常的に使われています。ITやマーケティング関連の企業などではSlackを使用していたり、LinkdInでビジネスパーソン同志のコミュニケーションを取る人もいます。しかし、一般的には無料で使えてベトナム人のほとんどが使用しているZALOが使われる事が一般的です。営業アプローチや顧客とのカジュアルなコミュニケーションには、これらのSNSを積極的に活用するのが効果的です。ZALOのダウンロードや使用方法については、こちらの記事をご覧ください。

 

  • 関係構築のツールとしてのSNS: フォーマルなメールよりも、SNSの方がカジュアルで親しみやすいため、営業初期段階での関係構築に非常に役立ちます。チャット機能を通じて、商品やサービスに関する質問に素早く答えたり、簡単な資料を送ったりすることで、相手との距離を縮めることができます。

 

  1. 法的書類や重要なやり取りはメールを活用

メールは国際取引や法的なやり取りにおいて、信頼性の高い手段として広く認識されています。特に、契約書やその他の重要なドキュメントの送付に関しては、メールが正式な手段とされています。

 

メールの利点

  • 法的な証拠性: メールは、正式なやり取りや法的書類の送付において、証拠としての信頼性が高く、やり取りの記録が保存されるため、後で確認が必要な際にも有効です
  • セキュリティと保存性: メールは、セキュリティ面でも優れており、エンドツーエンド暗号化やアーカイブ機能によって重要な情報が安全に保管されます。

 

以下のケースでは、メールで送信する事が勧められています。

  • 契約書や正式な文書: ベトナムでは、法的な効力を持つ契約書や重要な書類のやり取りについては、依然としてメールが信頼されています。企業間の正式なやり取りや、後で確認が必要な文書のやり取りには、必ずメールを使用するようにしましょう。

 

  • 重要書類の保存: 重要な文書を送信する際には、メールの方が後から証拠として残りやすいため、SNSではなくメールを使うことが推奨されます。また、PDFなどの形式で添付することで、正式な記録としての信頼性を高められます。

 

メールマーケティングの活用 – SNSとの連携が鍵

ベトナムのビジネスシーンでは、メールマーケティングも有効な手段の一つですが、メールに対する返信率は日本に比べて低い傾向があります。そのため、メールはあくまで情報提供の手段として使用し、具体的な問い合わせや商談はSNSへ誘導するのが効果的です。

 

  1. メールマーケティングの位置づけ
  • イベント告知やニュースレター: メールマーケティングは、特にイベントの告知や新商品の案内など、広く情報を発信するのに適しています。メールを通じて、ターゲット層に情報を届けることは有効ですが、期待される反応は限定的です。

 

  • 告知手段としてのメール: メールは一方通行的な情報提供ツールとして活用し、商品の詳細やイベントへの参加を促すための告知用として使うと良いでしょう。

 

  1. SNSへの誘導
  • 問い合わせはSNSで: メールでの告知の後、具体的な質問や商談に関しては、ZaloやMessengerなどのSNSへ誘導するのが効果的です。これにより、相手がより迅速に反応しやすくなり、結果的にビジネスのスピードが上がります。

 

  • メール内でのリンク設定: メール内にSNSのリンクを設定し、「詳細はこちらから」といった形で、簡単にSNS上でのやり取りに移行できるようにしましょう。これにより、相手が手軽に問い合わせや質問を行えるようになります。

 

ベトナム市場での効果的なコミュニケーション戦略

ベトナムでは、SNSを中心にコミュニケーションを行う一方、重要なやり取りにはメールを活用するというバランスの取れたアプローチが効果的です。また、メールマーケティングを通じて幅広く情報を発信しつつ、商談や詳細な問い合わせはSNSに誘導することで、より効果的な営業活動が可能となります。

 

  1. 営業アプローチにSNSを活用する
  • SNSでのカジュアルなやり取りを通じて、ベトナム企業との関係を深めていくことが重要です。営業活動の最初の段階では、フォーマルなメールよりも、SNSでの迅速な対応が求められることが多いです。

 

  1. 法的なやり取りはメールで行う
  • 契約書や正式な書類は、依然としてメールが信頼されています。重要なやり取りに関しては、メールでのやり取りを徹底し、証拠として残るように管理しましょう。

 

  1. メールマーケティングを告知に活用し、SNSに誘導する
  • メールマーケティングは、あくまでも情報提供として活用し、返信や問い合わせはSNSに誘導する形で運用するのがベストです。これにより、迅速な対応が可能となり、顧客とのつながりが深まります。

 

まとめ

ベトナム市場での営業活動では、SNSとメールの使い分けが重要です。SNSをメインに営業活動や顧客とのやり取りを行い、法的な書類や重要な契約に関してはメールで対応するというバランスが、最も効果的なアプローチとなります。また、メールマーケティングを告知として活用し、問い合わせや商談はSNSに誘導することで、顧客との迅速なコミュニケーションが実現できます。

 

日系企業がベトナム市場で成功するためには、このような柔軟で戦略的なアプローチが欠かせません。適切なツールを使い分け、ベトナム企業との信頼関係を強化していきましょう。

 


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