ベトナムは「とりあえずやってみる市場」ではなくなった

ベトナムは「とりあえずやってみる市場」ではなくなった
― NKCが、2025年以降のベトナムを“慎重に勧める”理由 ―
私たちはこれまで、100社を超える日本企業のベトナム進出・販路開拓を現地で支援してきました。
その中で、あえて率直にお伝えすると、
2025年以降のベトナムは、誰にでも勧められる市場ではなくなっています。
これは悲観論でも、撤退論でもありません。
「前提条件が変わった」 という、極めて現実的な話です。
1. ベトナムで起きている変化は「取り締まり」ではない
最近、
「ベトナムは厳しくなった」
「突然、摘発が増えた」
という声をよく聞きます。
しかし、現地で見ている立場から言えば、
これは一時的な締め付けではありません。
国家運営の設計が変わりました。
ポイントは「可視化」と「責任の明確化」
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電子インボイスの全面義務化
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銀行・税務・企業登録・個人IDのデータ連携
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売上・入金・納税の整合性チェック
これにより、
「売れているのに帳簿に出てこない」
「実態と書類がズレている」
といった状態は、ほぼ自動的に検知されます。
NKCの立場から言えば、
これは“やりづらくなった”のではなく、“曖昧さが許されなくなった”だけ です。
2. 相次ぐ事件が示す、ベトナム政府の明確な意思
2025年に入ってから、著名人、影響力のある経営者、急成長したビジネスを中心に、象徴的な事件が相次いでいます。
健康食品、化粧品、オンライン販売、投資・金融分野など、これまで「成長が優先されやすかった領域」で、
広告表現、会計処理、税務申告、流通ルール が厳しく問われるケースが目立っています。
ここで重要なのは、特定の業種や個人を見せしめ的に叩くことが目的ではない という点です。
ベトナム政府が発しているメッセージは、極めて明確です。
「影響力があるなら、なおさら法を守れ」
「成長は、不正と引き換えには認めない」
実際、これらの案件では
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虚偽・誇大広告
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帳簿に計上されない売上
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電子インボイスと実取引の不一致
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登録内容と異なる商品の流通
といった “これまで曖昧に処理されがちだった部分” が、行政指導ではなく 刑事責任の対象 として扱われています。
これは、「違反したから処罰した」という単純な話ではありません。
市場全体に対して、『これからはルールを前提に成長せよ』という強い意思表示と捉えるべき動きです。
NKCが現地で感じているのも、「急に厳しくなった」というより、“逃げ道が体系的に塞がれた” という変化です。
3. この変化は、日本企業にとって不利なのか?
結論から言えば、短期的には面倒になります。
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手続きは細かい
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確認に時間がかかる
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書類不備は通らない
正直、「昔より楽」ではありません。
しかし、NKCはこの変化をネガティブには捉えていません。
なぜなら、日本企業が当たり前にやってきたことが、そのまま競争優位になる環境だからです。
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会計・税務を軽視しない
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契約を前提に動く
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広告表現に慎重
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組織と責任範囲を明確にする
これらは、今のベトナム市場と非常に相性が良い。
不正やグレーゾーンに依存していた競合が淘汰されれば、真面目な企業ほど、相対的に有利 になります。
4. NKCが「まず判断」を勧める理由
私たちNKCは、
「必ず売れます」「進出すべきです」
とは言いません。
代わりに、こうお伝えしています。
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本当に売れるのか
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継続できるのか
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法的・実務的に無理がないか
それを、現地で試してから判断しましょう。
2025年以降のベトナムでは、「走りながら考える」進め方はリスクが高い。
だからこそNKCは、
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小さく始める
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数字と実態を見る
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無理なら、やめる判断も含めて支援する
このスタンスを取っています。
5. これからベトナムを検討する日本企業へ
今のベトナムは、
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なんとなく可能性がありそう
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周りがやっているから
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安そうだから
という理由で入る市場ではありません。
一方で、
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法令遵守を前提に
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長期で事業を考え
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現地実務から逃げない
企業にとっては、むしろ健全で、読みやすい市場 になりつつあります。
NKCは、この現実を正直に伝えた上で、それでも挑戦したい企業とだけ、並走したいと考えています。
NKC SALES SOLUTIONS
私たちは「売上を約束する会社」ではありません。
代わりに、ベトナムで“やるべきか・やめるべきか”を判断できる材料 を、現地から提供します。


