ベトナム販路開拓を成功させるための事前準備とSNSコミュニケーションの重要性 – ベトナムでの営業活動における柔軟なアプローチ
はじめに
ベトナム市場で営業活動を行う際、日本企業が直面する大きな課題の一つが「営業アプローチの違い」です。多くの日本企業は、自社の商品やサービスを紹介した後、すぐに商談アポイントを取りたがる傾向がありますが、ベトナムではこのアプローチが必ずしも効果的とは限りません。
ベトナムでは、まずは情報提供やSNSを通じたコミュニケーションを通じて、相手に興味を持ってもらい、信頼関係を築くことが重要です。この記事では、ベトナムで販路開拓をしたいと考えておられる企業様が、現地企業への営業アプローチを成功させるために必要な事前準備や、柔軟なアプローチの重要性について解説します。
ベトナムでの営業アプローチの特徴
日本とベトナムの営業スタイルには大きな違いがあります。日本では、最初の段階で商談のアポイントを取り、オンラインや直接会ってヒアリングや詳細な商品説明を行い、そこから見積もりなどを提出して、次のステップへ進むことが一般的です。しかしベトナムでは、まずチャットで連絡を取り合うといった非公式なコミュニケーションを通じて情報交換を行い、相手の関心度が高まった段階で初めて商談に進むというスタイルが主流です。そこで商談アポイントを取るためには、しっかりとした事前準備と、SNSを使ったコミュニケーションで柔軟なアプローチが不可欠です。
- ベトナムのビジネススタイル: ベトナムでは、相手がまず安心して話を聞けるように、資料共有やSNSでのやり取りを通じて段階的に関係を深めていくことが求められます。商談はその後に行うため、初期段階からアポイントを取ろうとするアプローチはあまり歓迎されません。
- 関係性の重視: ベトナムでは、商談のアポイントを取る前に、まず商材やサービスの内容を十分に理解することが優先されます。取引に繋がるか分からないミーティングに時間を割くことを非常に嫌うため、電話やオンラインチャットを通じて詳細な情報収集を行い、取引の可能性を感じた時に初めて商談のアポイントに応じます。
かつては、こちら側が日本企業であること自体が、無理にでも商談に応じてもらえる理由になることもありました。しかし、近年では世界的に日本の経済力が低下し、それに伴いベトナムでの日本企業に対するリスペクトも薄れつつあります。さらに、経済成長が著しいベトナムではビジネスのスピード感を強く意識し、効率良く時間を使いたいという願いから、ベトナム企業側にとってのメリットや目的がはっきりしない面談のアポイントを取ることは非常に困難になっています。
弊社でも数々のベトナム企業との取引をしていますが、契約までの交渉や、サービス利用時の連絡のほとんどをZALOでのチャットで完結させる事が多く、実際に会って話をしたり、ビデオ会議をすることはほとんど稀です。このようにベトナム企業間では、必ずしも直接対面する商談の必要性はあまり強く感じておらず、お互いに重要な決め事をする場面など、よっぽどの理由がない限り、商談に時間を割くことはほとんどありません。（商談ではなく、接待を通じた人脈作りは、今のベトナムではビジネスの一つの有効な方法でもあります。）
事前準備の重要性
ベトナムでの営業アプローチを効果的に進めるためには、事前に十分な準備が不可欠です。特にベトナム市場では、資料や事業内容の情報提供が重要な役割を果たします。日系企業のクライアントが営業代行に期待する成果を出すためにも、以下の準備が必要です。
- 資料の提供
ベトナムの企業は、商談の前にしっかりと情報を理解し、関心を持つことが重要です。具体的なサービスの内容や事業の強みを説明する資料を事前に準備し、共有することが大切です。また、業界によっては英語の資料でも対応可能ですが、ベトナムでも英語は第二言語の為、なるべくファーストアプローチの際にはベトナム語の資料を併用する事もおすすめです。多くの場合に、商談に応じる前に見積りを送るようリクエストされる事がありますので、予め概算見積り等を用意しておくのも良い方法です。
- ターゲット市場のリサーチ
ベトナム市場におけるターゲット企業や業界のニーズを事前にリサーチしておくことも重要です。営業アプローチを成功させるためには、ターゲット企業がどのような課題を抱えているのか、その課題に対して自社の製品やサービスがどのように役立つのかを把握し、それに基づいてアプローチを行う必要があります。
その為には、一方的に商品やサービスの売り込みをするのではなく、電話やチャットによるヒアリングを通じてベトナム企業のニーズを把握し、その上で効果的にアプローチをする事が重要であると言えます。
- 関係性を築くための柔軟なアプローチ
いきなり商談に進むのではなく、まずは軽い接触やコミュニケーションを通じて、相手との信頼関係を築くことが大切です。これにはSNSやチャットツールを活用し、カジュアルなやり取りを通じて徐々に距離を縮めることが有効です。
SNSやチャットツールを活用したコミュニケーションの重要性
ベトナムでは、SNSやオンラインコミュニケーションがビジネスの場でも積極的に活用されています。商談前の関係構築の段階でSNSを上手に使うことは、営業アプローチを成功させるための大きな武器となります。メールでのアプローチも出来ない事はないのですが、メールを多用する日本の企業とは異なり、ベトナムではメールをあまり使わない会社も多く、メールをしても返信がないという状況がよくあります。ベトナムでのメールの使用については、こちらの記事で説明しています。
- SNSを使った情報共有
ベトナムではFacebookやZALOなどのSNSを活用してビジネス情報を共有するのが一般的です。テレアポなどの方法でターゲット企業の直接担当者に繋がった時点で、これらのSNSを活用し顧客との関係性を構築することで、その先の商談や取引に自然に発展させる事が出来ます。ZALOについては、こちらの記事をご覧ください。
- チャットでのフォローアップ
初期の段階で資料を送付し、相手の反応を見ながらチャットでフォローアップすることも非常に効果的です。ベトナムの企業は、まずチャットやメールで情報を整理し、疑問があればそれに応じて質問をしてくることが多いため、即時に対応できる体制を整えておくことが大切です。
まとめ
ベトナムでの営業アプローチを成功させるためには、事前準備と柔軟さが不可欠です。日本企業が期待する商談アポイント獲得数を達成するためにも、資料提供やSNSを使った関係構築をしっかり行い、段階的に信頼を築くことが重要です。営業アプローチを実施する際には、事前準備の徹底とSNSコミュニケーションの活用を心がけ、ベトナム市場に適応したアプローチで成果を上げましょう。
日本とベトナムでは営業アプローチの方法が大きく異なるため、現地企業への営業は非常に難しいものです。そんな課題を解決するのがNKコンサルティング・ベトナムです。当社はベトナム市場に特化した営業代行サービスを提供しており、訓練を受けた現地の営業スタッフが、企業リストの作成から営業アプローチまで貴社に代わって行います。現地でのビジネス拡大をサポートし、効果的な営業活動を実現します。ベトナムでの営業代行支援にご関心がございましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。
